章 35

寝宮の中で、白い衣装を纏った黒髪の男が鏡の前に立っていた。三年前と比べると、彼の身長はさらに伸び、顔立ちもより整い、一層端麗で美しくなっていた。少年の面影はまだ完全には消えていないものの、目元や眉先には既に濃厚な艶気が漂っていた。

手を上げ、眉をひそめ、目を伏せる——最も単純な仕草の中にも比類なき色気が滲み出ていた。一人の人間がこれほどまでに青さ、純情さ、そして妖艶さと奔放さを完璧に共存させているとは、想像し難いほどだった。

彼は一枚の薄い紗の衣を身に纏い、風もないのに衣は揺れ、しなやかに伸びた四肢と曲線を惜しげもなく露わにした完璧な体つきを鮮明に浮かび上がらせていた。

「参りましょう」

背後...