章 15

千音は宮人に尋ね、宮人は蓝丞相が二刻前に殿に入ったきり出てこないこと、そして皇帝も先ほど入ったばかりだと答えた。

千音が足を踏み出すと、蓝战舟が彼を制した。「別の時間に来ましょう」

千音は訝しげに彼を見つめる。

「今は、恐らく皇帝と父上が聖父の祈福を受けておられるのでしょう」と蓝战舟は小声で言った。

蓝战舟は千音を連れて離れながら、彼の戸惑った様子を見て笑みを浮かべた。「あなたの書斎には聖父の祈福の画册がどれほどありますか?」

千音は実際に気にしたことがなかった。未成年の彼は聖父の成年前の祈福礼しか見ることができず、成年後の祈福や祭典の記録は見たことがなかった。

「あの本棚一列すべてがそれです...