452話

マシューがウィノナと共に去った後、ニコラスとティモシーもクリニックの建物を後にした。リチャードが肩をすぼめて、彼らの後ろについてきていた。

ティモシーは哀れむような表情で彼を見た。その角度からは、男の冷たく硬質な横顔と高い鼻筋しか見えない。「ニコラス、どうしたんですか? ウィノナのことで怒ってる? それとも……ワトソン氏に嫉妬してるんですか?」

彼は唇を引き結び、目には気づかれぬほどの冷たい光が一瞬走ったが、すぐに無邪気な表情になった。

ニコラスは立ち止まり、ティモシーの方を向いた。その顔は真剣そのもので、探るような色を浮かべている。「君はウィノナに何か特別な感情でもあるのか? でなけれ...