450話

車に乗り込んだ。

ウィノナが足首を確かめようとしたその時、誰かが先んじて彼女のふくらはぎを掴んだ。

知らない男の匂いが彼女を包んだ。長い指が腫れた足首の周りをそっと押し、ウィノナは痛みに呻き、思わず足を引っ込めた。

ニコラスは彼女をしっかりと押さえ、顔を上げると、その視線は痛みに顰められたウィノナの眉に向けられた。彼の瞳には何か激しい感情が宿っているようだったが、彼女を見つめるといつもの彼に戻り、「動かないで」と言った。

低く、優しい声だった。

ニコラスは彼女の靴を脱がせ、足首をそっと捻りながら尋ねた。「痛むかい?」

ウィノナは慎重に感覚を確かめ、「大丈夫です」と答えた。

「骨に...