439話

刺激の強い酒がニコラスの喉を滑り落ち、体の芯から彼を温めた。熱が全身に広がるにつれて、彼の顔はわずかに赤らんだ。

ディランはにやりと笑って言った。「ラムジーさん、本当にお酒がお強いですね」

彼はニコラスにもう一杯注ぎながら、「若くして有望」「ドリーモポリスのビジネス界の未来のリーダー」「ラムジー・グループの誇り」といった賛辞を浴びせかけた。お世辞を惜しむ様子はなかった。

物心ついた頃からそういった追従的な称賛に慣れきっていたニコラスは、無表情にディランを見返した。どれほど耳障りのいい言葉を並べられても、予定以上に酒を飲む気にさせられることはなかった。

ディランは次にウィノナとニコラスの...