410話

ウィノナはその絵画に隠された大きな謎にはあまり関心がなかった。彼女は困惑した表情で尋ねた。「母さんが絵の修復を手伝うって約束したんでしょ? なのに、どうして殺したの?」

「ああ、全部フランクのせいだ。当時、あいつは親父の前ではいつも花形(はながた)で、どこへ行っても自信満々だった。だが奴には弱みがなかった、お前の母さん以外はな。彼女だけが、奴の唯一のアキレス腱だった」

フランクは虚ろな顔で言った。「あの頃、父さんの体調は悪化の一途をたどっていて、徐々に実権を私に移譲しつつあった。ターナー家の内紛は激しく、もはや隠しきれないほどだった。あの時、もし私がターナー家を離れていたら、戻る場所はどこにも...