390話

ウィノナは頭を捻ったが、六月十三日が特別な日だとはどうしても思い出せなかった。

ザカリーは少ししょんぼりした様子で言った。「僕たちが婚姻届を出した日だよ」

ウィノナは思わず口にした。「私たち、ずっと前に離婚したのに……」

言いかけて、このロマンチックな雰囲気の中で自分の言葉がいかに場違いであるかに気づいた。ザカリーと結婚した当時、彼女は借金まみれでネットいじめにも遭い、ほとんど家から出られない状態だった。婚姻届を出したのも勢いのようなものだったから、正確な日付をわざわざ覚えてはいなかったのだ。

「あなたが覚えていたなんて」。ウィノナの言葉に皮肉はなかった。純粋に驚いていたのだ。三年間の...