358話

一ヶ月も手紙を送り続けたのに、返事ひとつ来なかった。

当時、マシューは彼女に興味がなかったから、きっとゴミ箱行きだったのだろう。

ザカリーの背筋がピンと伸び、怒りで体がこわばった。

だが、ウィノナは答えなどどうでもいいという風に何気なく尋ねただけで、ザカリーの不穏な様子にも、ましてや白状すべきかどうかという彼の壮絶な内面の葛藤にも気づかなかった。

確かに、女の子を口説くのに多少の小細工を使うのは別として、時計の件では既に嘘をついてしまっている。それはまだなんとか正当化できるかもしれないが、ラブレターとなると……。

彼が状況を飲み込む前に、ウィノナはカードの束を掴んでザカリーに押し付けた...