223話

ナイトクラブのような場所に隠し監視カメラがあること自体には、彼女も驚かなかった。だが、ウィノナがそんな誰のものとも判別できない映像を使って自分に罪を着せようとしているのは、あまりに浅はかで滑稽だとしか思えなかった。

決定的な証拠がないのを見て、フィオナは自信を取り戻した。「ウィノナ、あなたが私を憎んでいるのは知っているわ。でも、こんなもので私を陥れようとしても、無理があるわ」

何が起こったのかを尋ねる気にすらならなかった。映像だけでそれは明らかだったからだ。

実際のところ、ウィノナにもそれ以上の証拠はなかった。彼女は神の視点を持っているわけではない。相手が愚かではなく、明らかに準備をして...