章 971

「統領、あの三級異獣の速さは尋常ではありません。私たちではとても追いつけません!」

守衛は事実をそのまま報告した。先ほど市街地に侵入した三級異獣は他とは一線を画していた。体は比較的小さいものの、その速さは稲妻のようだった。

この異獣が第三等級に分類されているのは、まさにその神器の攻撃さえ容易く回避できる速さゆえだった。そうでなければ、あの体格では二級異獣にも満たないだろう。

速さを武器とするこのような異獣を、龍飛も以前見たことがある。かつて闇の神域で対峙した九尾魔狐もこの類の異獣だった。

「もういい、役立たずどもが。さっさとこのトカゲ王を何とかしろ!さもなければ、ここにいる全員が飲み込まれるぞ...