章 815

「これが獣人族の実力というのか?強すぎるだろう!」

カーシャ女王が翼を羽ばたかせただけで生じた風圧には、とてつもない力が宿っていた。まるで地院執法堂の建物全体が震えているような感覚さえ覚えるほどだ。

「まずい、カーシャ女王が鷹族の矢陣を繰り出そうとしている」

地院執法堂の長老たちはこの状況を目の当たりにして、一人残らず青ざめた顔をしていた。彼らは皆、鷹族の獣人が放つ矢陣がどれほど恐ろしいものか知っていたからだ。

虹羽の矢が鷹族獣人の絶技の一つならば、鷹矢陣はまさにその強化版と言えるだろう。通常の虹羽の矢なら最大でも三枚の羽しか使えないが、鷹矢陣は何百、何千もの羽で構成される。これらの羽矢...