章 711

「さすが薬王殿の特待生だけあって、準備が実に万全ですね!」

王流通は感心したように頷いた。彼自身は今回の黒山谷での修練に何も持ってきていなかったのだ。

何も装備を持ってこなかったのは、王流通がそもそも何が宝物なのかわからなかったからだ。価値のある宝物が目の前にあったとしても、彼にはまったく見分けがつかない。

王流通にとって、黒山谷での修練に参加する目的は、実戦能力を高めることと、指導教官の下で少しでもエネルギーストーンを稼ぐことだけだった。

「皆さん、時間も遅くなってきましたので出発しましょう!覚えておいてください、我々天院の学生の活動区域は北側です。決して区域外に勝手に出ないように」

賀万里...