章 974

「武器を持って追いかけてきたから、すぐに車を発進させて必死で逃げたんだ。目から血が流れ続けていて、左目の視界が真っ赤に染まっていた。

こんな夜中に病院に行くとなると救急外来しかないが、幸い包帯を巻くだけで済む程度のケガだ。多少医学知識のある人なら簡単に対処できる。

「ねえ、趙さん、さっき一体何があったの?龍が見えたような気がするんだけど」劉艶は恐怖を引きずったまま、思わず尋ねてきた。

私は黙ったまま、胸の辺りの熱さを感じていた。明らかに陰龍の玉佩が力を発揮したのだ。ただ不思議なのは、龍は確かに玉佩の中にいたはずなのに、なぜ私の傷ついた目から飛び出してきたのか。

あの猛虎はどこへ行ったの...