章 949

そして通常の流れ通り、料理を注文して会話を交わし、彼女は私のジョークに「くすくす」と笑い転げていた。

もちろん私が女性を口説くエキスパートなのは事実だが、デートの最中に何かテクニックを使ったことは一度もない。感情の基盤がすでに深く築かれているから、私が何をしても彼女は喜んでくれる。

これぞ無技の技、自然体こそ最高なのだ。

雰囲気を盛り上げるため、ホテルはすべての照明を消し、テーブルの上にキャンドルを灯した。このキャンドルライトディナーと程薔薇の赤いワンピースの組み合わせは、まさに誘惑度が増す一方だった。

シャラシャラと、彼女は私にワイングラスを満たしてくれた。

そして酔いに霞んだ目でグラ...