章 66

「これは取締役会の報告より、よほど詳しく広く伝わっていると言えるわね」

「それに私にも考えがある。警備員になれば、監視室に行くのも当然の権利になる」

「もちろん、誰が会社の物を盗んだとか、誰がA4用紙を持ち帰ったとか、そんな些細なことに関心はない。小さな泥棒は財を盗み、大きな泥棒は国を盗む。私が監視したいのは会社の中の大きな泥棒たちだ」

「あらゆる場所に設置された監視カメラを通じて、普段誰と誰が親しくしているのかを見極め、それを甥からの情報と組み合わせて、自分なりの判断を形成できる」

「後継者になるなら徹底的にやるべきだ。結託して国を盗もうとする連中は、一掃してやる」

夜になると、警...