章 615

私がため息をついていると、張部長はすでに私を部屋へと案内していた。ドアを開けると、車輪の上に座った中年の男性が、私たちに背を向けているのが見えた。

私が少し驚いていると、張部長が明るい笑い声で声をかけた。「老趙、ずっと見てたぞ」

車椅子に座った中年男性は張部長の声を聞くと、すぐに顔を向け、微笑みながら言った。「張さん、来てくれたんだね!」

「ああ、来たよ。医者も連れてきたんだ。この医者の腕は非常に優れていて、もしかしたら君の病気を治せるかもしれない」張部長が私に向かって言った。

その男性は興奮した様子で、張部長の声のする方を見て、ちょうど私と目が合った。

張部長は私に微笑みかけて言っ...