章 357

「その前?ああ、確かにトラブルはあったけど、どう言えばいいかな、これが難しいんだよな……」

「率直にお話しください」

「あいつの奥さんと寝たんだよ!」

取調室の空気が一気に気まずくなった。

あの二人の警官は、俺がこんなにもあけすけに言ってしまうとは思わなかったらしい。特に女性警官は、顔が一気に赤くなった。彼女が赤面している姿は夏茜ほど可愛くはないが、今の立場を考えると、それはそれで一味違った魅力がある。まあ、男なら制服姿に弱い奴が多いだろう?

「ゴホン」

男性警官が咳払いをして、気まずい雰囲気を和らげようとしたが、その後の質問は一気に真面目さを欠いたものになった。

彼らが俺に理由を尋ねても、ほ...