章 309

正直に言わせてもらえば、この女性の味わいは格別なものがある。特に朝食を済ませたばかりの彼女は——昼間とはいえ——ベッドから起きて風呂に入ったばかりの香りが何とも言えず心地良い。

女性にはそれぞれ特有の体臭がある。少なくとも、これまで私が戯れてきた数多くの女性たちの中で、同じ香りを持つ者は一人もいなかった。

これは何に例えられるだろうか?そう、女性たちの口紅の色番号のようなものだ。

我々男からすれば、あの色はどれも同じように見えるのに、彼女たちはあれこれと饒舌に語る。小豆色だの、スイカ色だの、あれやこれやと延々と。

そして私の鼻と嗅覚神経にとって、これらの女性たちの体臭もまた様々な言葉で...