章 263

でも俺が怒りを爆発させる前に、こいつらチンピラは早くも童顔の夏茜に目をつけていた。その中の一人が色欲に駆られ、頭の中は下半身に支配され、夏茜に向かって油ぎった大きな手を伸ばした。

「えへへ、お嬢ちゃん、兄さんたちと一杯飲めば彼氏には何もしないぜ」

夏茜の表情が良くなるわけがない。

「消えろ。あいつは彼氏じゃない」

「おや?それなら都合がいいじゃないか。俺たちが彼氏になってやるよ」

俺は思わずため息をついた。あー、終わったな。こいつら、俺より悲惨な目に遭うぞ。

案の定、屋台の店主までもが駆け寄ってきて、チンピラたちの肩を叩いて立ち去るよう促した。

だがこいつらが聞き入れるはずもなく...