章 22

「ただのキスだから、大丈夫よね。あの人も私にキスしたし、これは仕返しだから、裏切りじゃない」

自分に言い聞かせるように言い訳した後、阿芳はベッドの上で膝をつき、私の方へと小さな頭を下げた。

幸せが突然すぎて、もう諦めかけていたのに、まさか彼女がまだ気にかけてくれているとは。しかも今、真っ赤で魅惑的な小さな唇まで使おうとしている。

ただ、もう私は限界点にいるのに、こんなことされたら…適切じゃないよね?

声を出して注意することもできないし、したくもない。だから私は目を細めて彼女をこっそり見つめ、少しずつ近づいてくる小さな口元、そして開かれていく艶やかでピンク色の唇を見守っていた…

その瞬間、温かさ...