章 1578

彼らの肉体そのものは暗赤色がかった黒に近い色をしており、一目見ただけでわかる。だが彼らが望めば、血液のような鮮血色へと完全に変化することができるのだ。

そのため、道中では無数の血鬼が我々のすぐ側に立っていたにもかかわらず、ほとんど気づかれることはなかった。もちろん、大半の血鬼は吸血コウモリの老祖の強大な気配を感じ取り、こぞって遠ざかり、近づく勇気もなかった。そのおかげで、ほとんどの時間は平穏無事に過ごせていた。

だが、自分の力量を省みない血鬼も少なからずおり、警告を全く無視して飛び出してきては事を起こそうとした。結果は単純で、我々に即座に打ち倒されるだけだった。

血鬼の実力は実際のところかなり...