章 1495

言いながら、彼の全身から金色の光が強く放たれた。他の武技を使わないことで、内力を全て金鐘罩に注ぎ込むことができる。

常威は冷ややかに鼻を鳴らすと、足を一動かし、擂台の上に一陣の風を巻き起こした。

「すごい速さ!もう人影も見えないぞ」

「ふん、神偷門というのも所詮、足に油を塗ったような身のこなしが少し得意なだけだ。この一手だけで、玄澄を目眩ませるつもりか?」

部下たちの会話から常威の武功の由来が明らかになった。彼は神偷門という門派の出身らしい。この門派については聞いたことがなかったが、名前を聞いただけで格下の流派だと分かる。名門正派とは縁のない、世間でいう三教九流のような存在だろう。

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