章 1390

私は胸が沈み、遠ざかる老人と少女をぼんやりと見つめていた。受け入れがたい現実だ。あんなに可愛らしい少女と慈悲深い老人が、実は既に死んでいる二体の亡骸だったなんて。蠱毒を使う者の冷酷さは底知れず、こんな恐ろしいことまでやってのける。

「蠱に取り憑かれた者は、蠱虫が活動を始めない限り、自分が死んでいるとは思わないものだ。生前の習慣や生活様式をそのまま保ち続け、主人から命令を受けた時だけ従うようになる」金龍は感慨深げに言った。

なるほど、あのお爺さんと少女があれほど生き生きとしていたわけだ。本当に素のままを演じていたんだ。彼らが私に近づいた時、少しの違和感もなく、そして気づかぬうちに蠱虫を空気中...