章 1275

私は伸びをしながらベッドから起き上がり、顔を洗って歯を磨き、そしてまた布団に戻って二度寝をしようとした。ところがその時、突然携帯の着信音が鳴り響き、ぼんやりした頭で画面を見ると沈君宝からの電話だった。

「もしもし、趙。すぐに会社に来てくれないか。この前のファンミーティングで騒ぎを起こした黒幕を突き止めたんだ」沈君宝の焦りを帯びた声が聞こえてきた。

それを聞いた私は冷静に電話を切り、心の中である推測が浮かんでいた。黒幕が見つかったのなら、沈君宝は自分の力だけでも対処できるはずだ。彼は陳家の次男として、芸能界の半分を牛耳っている人物だ。こんな状況すら対処できないというなら、相手が本当に手ごわく...