章 1024

彼の体は空中に打ち上げられたものの、バランスを崩すことはなかった。続いて、武台の高い位置にある木材を足で蹴り、その反動を利用して素早くアーダーへと襲いかかった。

ドン！

不意を突かれたアーダーは攻撃を受け、轟然と地面に倒れ込んだ。

彼は胸に傷を負っていたため、最初から速戦即決を考えていた。だが、この八字髭の男がこれほど狡猾だとは思いもよらなかった。最初は敵に弱さを見せ、アーダーに敵わないふりをした。そして警戒が緩み、勝利を確信した瞬間、突如として一撃を見舞ったのだ。

「卑怯者！」アーアルとアーチャンは怒り心頭で、思わず前に出て罵った。

沈君宝も顔色を険しくしていた。一度目の対戦でいき...