章 986

双方は太鼓を激しく打ち鳴らし、轟音は天を震わせていた。古越城の城楼から響く太鼓は、ドンドンと心臓を震わせるような鼓動を発していた。林浩でさえ、この太鼓の音に血が沸き立ち、剣を抜いて敵を討ちたいという衝動に駆られていた。

冷静さを取り戻した林浩は、自分だけでなく、雲峰や雷霊たちも同様の状態であることに気づいた。彼らは顔を赤らめ、拳を強く握りしめ、目は城外の方向に釘付けになっていた。

この太鼓には人の闘志を掻き立てる力があるのだ!

城外の空に広がる黒雲からも、人の心を乱す不気味な太鼓の音が響いていた。その音は低く耳障りで、心を乱すだけでなく、恐怖の念さえ抱かせた。

今の林浩は、まるで古の戦...