章 811

「君兄、この千宗とは一体何なのでしょうか?」林浩は言われたことを聞き、淡く微笑みながら君無悔に向かって真剣に尋ねた。

君無悔は突然頭を叩いた。林浩に千宗の存在について話すのを忘れていたのだ。これまで多くの情報を伝えてきたが、唯一この千宗のことだけを見落としていた。

実は君無悔が言わなかったのは、言うに値しないと思っていたからだ。今や彼らの地位からすれば、千宗など何の意味があるというのか?武道界全体で、語るに値するのは道門や搬山宗といった地理的環境が特殊な宗門だけだ。深い山奥に存在するような連中なら、彼ら二人が行って潰すのは一言で済む話ではないか。

世界中で彼らが入れない場所などほんの数カ...