章 58

宴会場に入ると、沈惜顔は沈老太君の前に進み、恭しく挨拶をした。「お祖母様、お誕生日おめでとうございます。どうかご健康で、何事もお心のままに」

沈老太太は沈惜顔を見ると、頷いて「ん」と一言だけ返した。「どこか座りなさい」沈老太太の沈惜顔に対する態度は、全く素っ気なく、非常に冷淡だった。

沈惜顔の二叔である沈志遠が沈惜顔に向かって叱りつけた。「惜顔、いったいどうしたんだ?なぜ今頃来たんだ?今日がお祖母さんの七十歳の誕生日だということを知らなかったのか?」

沈惜顔は少し申し訳なさそうに言った。「すみません、今日天海から戻ったばかりで、荷物の整理に時間がかかってしまって」

沈志遠は冷笑した。「...