章 388

一時間ほど経って、沈惜颜は総裁オフィスの隣にある密室から片足を引きずりながら出てきた。彼女は歩きながら林浩に対して無限に恨めしそうな目を向けていた。確かにこの行為は刺激的だと感じていたものの、ここは会社なのだ。しかも彼女は就任したばかりで、さらにさっきはケイティが入ってきて、彼女と林浩の間の甘い雰囲気を目撃してしまった。これは沈惜颜の心に比べようのない羞恥と怒りをもたらした。

「はぁ」総裁の席に辿り着いた沈惜颜は深く息を吸い込み、座り込んだ。天海グループの重要資料をすぐに確認しようとしていた。結局、林浩がこれほど大きな事業を彼女に託したのだから、彼を失望させるわけにはいかなかった。彼女の心の...