章 1173

敖風の降伏に対して、林浩の心境はまったく揺らぐことがなかった。羊皮書の空間内で三十年もの鍛錬を積んだ彼は、すでに大きな心境の変化を遂げていたのだ。

表面上は以前と変わらないように見えても、物事への対応はより果断になっていた!

これこそが真の英雄が必ず持つべき資質だった!

そのため林浩はためらうことなく剣の柄を握り、抜剣して斬ろうと構えた!

敖風もその様子を見て、目を細め、冷ややかな眼差しを向けた。もし相手が本当に剣を抜くなら、この残された分身が壊れようとも、相手と死闘を繰り広げるつもりだった。たとえ相手を道連れにできなくとも、林浩に重傷を負わせるつもりでいた。

そのとき、冷たく澄んだ声...