章 642

青い小さな矢が粉々に砕かれたものの、恐ろしい衝撃波が自分を吹き飛ばした。

これは過去にはありえないことだった。この「イオス」とは一体何者なのか?西洋の魔法使いの中に、こんなに強力な女魔導士がいるとは?なぜアブドゥーラ・フセインは最初から彼女を恨みを晴らすために差し向けなかったのか?

この女は一体誰なのか?

欧陽志遠は遠くの氷河の上にいる雪白の衣をまとった西洋の女性を見つめた。全身を青い光が取り巻き、仙気が漂い、花の冠を頭に載せ、無表情な様子は、まるでおとぎ話の世界から出てきた妖精のようだった。

この女は並大抵の者ではない。

自分の功力はあまりに低く、先ほどの一撃で真気を全て注ぎ込んでしまい、今...