章 621

ほぼ同時に、彼はすぐさま十級の氷晶防護陣盤を発動させた。玄光が一閃し、二人を守るバリアを展開した。

この十級氷晶防護陣法は、王武を倒した際に押収した二枚の氷晶玉牌から習得したもので、今ようやく役立つ時が来たのだ。

果たして、空飛ぶ絨毯が天池の中央水面に差し掛かると、海水が激しく波打ち、巨大な渦が突如として現れた。まるで蛇行する隧道のように、何処かの未知なる空間へと通じている。

王家の屋敷は本当に隠れた場所にあるな。幸い氷晶玉牌の秘密を解き明かしておいて良かった。そうでなければ氷系の功法がなければ、王家の屋敷に入ることすら不可能だったろう。

なんと強大な氷系の霊力だ。

絨毯が渦に入るや否や、欧陽...