章 428

数十名の侍衛がようやく射撃を止め、恐怖に満ちた表情で周囲を見回した。

魔法使いクイトは骨の杖を取り出し、唱えた呪文の言葉と共に、杖から一筋の火柱が立ち上がり、谷全体を照らし出した。

炎の光に照らされた谷には、背筋が凍るような恐怖の雰囲気が漂っていた。谷の両側に広がる密林からは、一切の物音が聞こえず、その静けさがかえって一同の恐怖心を煽った。まるでいつ命の危険が迫ってもおかしくないかのような緊張感だった。

クイトは骨の杖を掲げ、周囲を見回しながら大声で叫んだ。「我々はシャーマン魔法師を訪ねて参りました。敵意はありません」

クイトの言葉が終わるや否や、谷の両側の密林から沙沙という音が聞こえ...