章 95

翌日、湯栄栄と潘俊傑は不動産屋に出向き、最低価格で物件を出した。市場価格より五万元も安く、その日の午後にはすぐ買い手が見つかった。

三日後、潘俊傑は手に入れた十六万元を見て、少し損した気がした。だが今さら後悔しても仕方ない。意を決して湯栄栄が印刷した離婚協議書にサインし、民政局へ急いだ。

着いたときにはもう五時だった。二人は慌ただしく、なんとか閉庁前に離婚手続きを済ませることができた。

婚姻登記所を出て、潘俊傑は自分の離婚証を握りしめ、肩の荷が下りた気分だった。あの厄介事を未然に防ぐことができた。離婚を決断して正解だった。

考えてみれば、大した損失じゃない。妻が変わっただけで、二年間の...