章 262

張瑶は電話を切ると、林浩と二人で急いで身支度を整え、張伯の家へ向かった。二人を町まで車で送ってもらうためだ。

張伯は少々気が進まない様子だったが、楊婷がそばで二言三言口を挟むと、結局しぶしぶ承知するしかなかった。出発する際、楊婷は林浩に向かってわざとらしく何度か目配せをしてきた。

林浩は心の中でほくそ笑んだ。この叔母さんは本当に大胆だな。自分の夫がすぐ側にいるのに、こんな風に自分と目配せするなんて。とはいえ、林浩自身もどこか期待していた。

林浩と張瑶が病院に着いた時には、張瑶の母親はすでに入院の手続きが済んでいた。医師の説明によれば、老人性貧血とのことで、二日ほど入院して経過観察が必要だ...