章 170

陶欣然も当然ウェイターの声を聞いていた。彼女の顔には興奮した表情が浮かび、まるで救世主を見つけたかのようだった。

案の定、陶欣然が思った通り、林浩は彼女を引き起こした。

しかし、林浩の顔にはまだ色気のある表情が浮かんでいた。林浩は一気に陶欣然の髪をつかんだ。

「今から俺が椅子に座る。お前はそのまま続けろ。いいな、音を立てるなよ」林浩は陶欣然を引っ張りながらテーブルの方へ連れていった。

林浩の指示に従い、陶欣然はテーブルの下に隠れた。テーブルにはテーブルクロスが掛けられていたので、めくらない限り、テーブルの下に人が隠れていることなど誰にも分からないはずだった。

ウェイターが包室のドアを開けた。林...