章 233

秦建秋の机の上にある木箱は半尺ほどの長さで、数センチの厚みがあり、古風な趣があった。一目見ただけで、かなりの年代物だとわかる。

これは以前から秦家に代々伝わる家宝で、誰が伝えたものか、中に何が入っているのかは、彼には分からなかった。

祖父の話によれば、この木箱が家宝として一族に伝えられて以来、誰一人として開けることができなかったという。

この品は秦家にとって、ただ家族の継承を象徴する意味合いが強く、秦建秋も箱の中に何か驚くべき宝物が入っているなどとは期待していなかった。

結局のところ、秦家は財を成した一族だ。たとえ中身が億を超える価値があったとしても、その程度のお金は痛くも痒くもない。

だが最...