章 197

「信じないなら、すぐに確認してもらって構わない。だが迅速にな。我々の警備任務の妨げにならないようにしてほしい」神秘の男は冷静に答えた。

「は、はい!」警官は軍安処の人間を目の当たりにして、何と言っていいのか分からなくなった。

軍安処とは軍部直属の警備組織で、軍の高官の護衛を専門としている。その権限は多くの部門を超越し、天子直属の国保処に次ぐものだった。

警官は恐る恐るその身分証を両手で持ち、トランシーバーで管制センターに状況を報告し、真偽の確認を求めた。

その間、廊下全体が恐ろしいほど静まり返っていた。

神秘の一団の沈黙には厳粛な空気が漂い、口を開かなければそれまでだが、一度口を開け...