章 167

この言葉と共に、五十代の中年男性が大股で居間に入ってきた。

その後ろには宋康達の孫である宋興安が続いていた。

宋康達は微笑みながら相手に座るよう促し、自ら茶を注ぎながら言った。

「遠路はるばるお越しいただき、吳大師には恐縮です」

「宋老、お気遣いありがとうございます。今回ご依頼を受け、目利きをさせていただくのは私の光栄です。今回はどのようなものをお求めでしょうか?」吳玄機は急いで謙虚な表情で礼を述べた。

骨董品業界には特殊な人々がいる。彼らは古美術品の真贋や年代を見極め、市場価値を踏まえて価格を提示できる。

この古美術品を鑑定し見極める過程を、業界では「目利き」と総称している。

吳玄機はまさ...