章 961

「彼は僕が船に招いた友達なんだ、どこからでも下船できるさ」発財も一歩も譲らなかった。

「つまり、今日はどうしてもこいつをかばうつもりなんだな?」袁思博は鋭い目で問いかけた。

「江湖の仲間たちは知ってるさ、俺、発財は義理人情に厚い男だって。幸せも苦しみも分かち合うのが筋だ。こんな時に見て見ぬふりなんてできるわけがない」人数で優位に立っていると感じた発財は強気に言い切った。

「みんな同じ道を歩いてるんだ、顔を合わせれば挨拶する仲だろう。礼儀知らずの若造一人のために、和を乱す必要はないだろう」袁思博は穏やかな笑みを浮かべながら諭した。

続けて「今日見たとおりだ、先に非礼を働いたのは彼だ。もし...