章 88

私は思わせぶりに振る舞い、「着いてみれば分かるよ」と言うと、彼女はじゃれついて止まらなかった。

会計の際、店主に近くに何か面白いところがないか、こっそり尋ねてみた。

親切な店主は、さらに西へ十数キロ行けば全国的に有名な観光地があると教えてくれた。

礼を言った後、私は車を西へと走らせた。道中、彼女はとても興奮して落ち着かない様子で、まるでプレゼントを目の前に置かれ、正午の開封時間を今か今かと待つ子どものようだった。

GPSを切っていたものの、道を走りながら、店主が言っていた場所がどこなのか、おおよそ見当がついていた。

彼女が車の流れが多くなってきたことに気づいた頃には、もう目的地に近づいてい...