章 853

車の中で一日中籠っていて、家に帰ると仕事よりも疲れを感じた。

妻はまるで戦地記者のように、玄関に入るなり私を取り囲み、何か発見がなかったかと矢継ぎ早に質問してきた。

私の悲惨な経験を聞き終えると、同情するどころか、逆に興奮して、自分の予想が当たった、美婷姉さんがそんな人のはずがないと跳ねるように喜んでいた。

これはまさに私の傷口に塩を塗るようなもので、余計に気分が悪くなった。

何としても真相を突き止めて、妻に早く間違いに気づかせ、彼女に一番尽くし、常に同じ側に立っているのは自分だと分からせようと決意した。

考えは素晴らしかったが、現実は厳しく、意気込んだ結果は車の中で三日間も籠ったものの、何も...