章 799

人というのは奇妙なものだ。危険だと分かっていながらも、その誘惑に抗えず、身を投げ出して近づいていく。そして最後には、前に道があるのかさえ分からなくなる。

行く途中、私は葛藤し、悩み、また期待し、興奮していた。だが全体的には、期待が葛藤を上回り、興奮が悩みを押し潰していた。

あのレストランに着くと、相変わらず優雅な装飾と、ロマンチックな雰囲気。中に立っているだけで、否応なく色々なことを思い出してしまう。

方瑶はいつもの席に座っていて、遠くから手を振ってきた。私は笑顔で近づいていった。

「役職に就くと、やっぱり違うわね。このキリッとしたスーツ姿を見なさい」私が近づくなり、方瑶は両手を組んで...