章 74

手を離すと、千斤の重荷を下ろしたかのように、私は長く息を吐き出し、体中が心地よさに満たされた。

だが一息つく間もなく、背中に温もりを感じた。いたずらっぽい小さな舌が、私の背中を自由に這い回り、微かな冷たさが骨の髄まで染み渡る。

私はそれが彼女のいたずらだと分かっていた。今度は純粋な心地よさだけだった。極限の苦しみの後に極上の幸福を与えられ、私は地獄と天国の間を漂っていた。

苦しみを知ってこそ幸せが分かるという言葉があるが、今の私はそれを本当に実感していた。目を閉じ、喜んでその至福を享受する。

彼女の舌先は絶え間なく私の背中を味わい、まるで子猫がミルクを舐めるようだった。

しっとりとした滑らかさ...