章 656

ダンスフロアで、わずか2分もしないうちに、私の理性も心の防御も彼に少しずつ攻め落とされていった。

姜兵の大人の男性の雰囲気、優しい眼差し、そしてダンスフロアでの自信に満ちた余裕のある振る舞い。

それらすべてが女性を思わず彼の織りなす熱烈な空気に溺れさせ、彼に合わせて楽しく、興奮させるのだ。

最初のうちはこっそり耀の方をちらちら見て、彼が私のことを気にかけているか、心配してくれているか確認していた。

でも目に入ってきたのは、彼もまた梁美婷の織りなす官能的な雰囲気に取り込まれている姿だった。

少し失望したけれど、そのすき間はすぐに姜兵によって埋められた。

私のどんな視線も、仕草も、この...