章 319

所詮この場所は、普段であれば私のような者が入って公演を見られるところではない。

大ホールに入ると、すでに多くの人が来ていることに気づいた。時折一人二人と見覚えのある顔も見える。みな地方テレビ局で顔を出したことがある人たちだ。

最前列はまだがらんとしていた。あれは大物クラスの人物のために確保されている席だと分かっていた。彼らが到着しなければ、公演は始まらないのだ。

十数分待ってようやく、一団の人々が談笑しながらホールの外から入ってきた。互いに会話を交わしている。

一人一人が鼻高々で、座席にいる我々などひと目も見向きもしない。その雰囲気は我々のような者とは比べものにならなかった。

皆顔見知りの面々...