章 264

妻も入り口を食い入るように見つめていた。時間が一分一秒と過ぎていき、九時になろうとしていたが、何の手がかりもない。

姜兵からも連絡はなく、私は時折焦りながら妻の方を見やると、彼女は無邪気に携帯を掲げて反応がないことを示した。

あっという間に九時十五分になった。取引はとっくに始まっているはずで、そんなに時間がかかるものでもないはずなのに、まだ何の動きもない。

車の中に座っていると入り口しか見えず、広場で何が起きているのかまったく分からない。私はいらだちを覚えた。

最初は自分が暗がりで獲物が罠にかかるのを待つ猟師のように感じていたが、今になって気づいた。自分はまるで囚われの獣で、主導権は相手の手に...