章 157

光線がフロントガラスに当たっていたので、ほんのりと見えた気がした。

その車を通り過ぎる時、私は振り返ってじっと数秒見つめた。ガラスには反射フィルムが貼られていて、何も確認できなかった。

妻は私の視線に合わせて一瞥し、何を見ているのかと尋ねてきた。

カメラのフラッシュのような光だったような気がしたが、確信は持てない。車内は何も見えず、昨夜の疲れで目が疲れているのかもしれないと思い、何でもないと首を振った。

妻は私を一瞥し、変なことをしていると思ったのか、それ以上は何も聞かなかった。

道を進むにつれて、その車からは遠ざかっていった。バックミラーでも車が発進する様子は見えなかったので、気のせいだった...