章 1412

「キッチンは一つしかないから、一緒に料理して、同じテーブルで食事をする。

仲良く過ごしていると、警戒心も距離感も自然と減っていくの」夏目響は懐かしむように言った。おそらくまだあの時間を恋しく思っているのだろう、彼女の口元には幸せな笑みが浮かんでいた。

だが私の胸はちょっと高鳴った。時に、親しくなりすぎると問題が起きやすくなるものだ。

「あの頃の賃貸にはエアコンがなくて、夏はほんと耐え難かったわ。でも人間親しくなると遠慮もなくなって、シャワー浴びた後は男は上半身裸で、女はゆったりしたパジャマ姿で、平気で家中歩き回るようになるの。

最初は何とも思わなかったけど、欧明が蒋雯と話す時の目つきがおかし...