章 1321

果物屋の店主が後ろから声をかけ続けるので、振り返って言った。「もう呼ばないでくださいよ。後でまた買いに来ますから」

そう言い残して店主の困惑した表情には目もくれず、足早に追いかけた。

夏雨について前回喧嘩した場所にまた来た。辺りを見回して思う。前世でここで何か悪いことでもしたのだろうか。まさか二度もこの場所で手を出すことになるなんて。

「話があるなら一度に言ってくれないか。何度も俺を訪ねてくるのはやめてくれ。お前とは親しくないんだ...」夏雨が振り向きながら言った言葉は、私の拳によって途切れた。

警告もなく、夏雨が振り向いた瞬間を狙って、その顔面に一発お見舞いした。

卑怯だと責めない...